堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

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3・11東日本大震災から1年

マンパワーの不足が復興の足かせに 被災自治体・支援自治体ともに職員不足(3月9日付け)

 東日本大震災から11日で1年をむかえます。復興関連の補正予算が成立、復興交付金や特区制度、2月10日には「復興庁」も発足しましたが、復興を支える人的な力、被災自治体・支援自治体ともに直面している職員不足が復興の足かせとなっています。

【3・11…その日から】

 2011年3月11日午後2時46分、突然足元が揺れ、めまいのような感覚に襲われて窓の外を見ると、ブラインドが揺れている…。揺れがおさまって、同僚たちと交わした第一声は「どこが震源なんだろう?」

 最初に入ってきた情報は東京都内の被害。しかし、震源三陸沖らしい。その後、大きな津波が起き、原発も被害を受けたという情報が入り、帰宅してからTVの映像に絶句したその日の夜。

 死者1万5千854人、行方不明者3千271人、震災関連死者1千365人という未曾有の被害をもたらした大災害において、自治体職員の役割が大きく問われました。

 自分も被災して、両親の行方もわからない中、住民対応を徹夜でこなす被災自治体の職員の姿を、メディアを通じて目の当たりにし、もし堺市でこのような大災害が起こったら…と職員誰もが思ったのではないでしょうか。

 堺市においては、大震災発生後いちはやく消防局・保健師・病院・上下水道局・危機管理室などの緊急支援チームが派遣され、その後、さまざまな市民ボランティアや社会福祉協議会による支援活動が活発に行われると同時に、児童福祉・土木・建築・放射線技師・精神保健・母子保健・ケースワーカー・り災証明や義捐金などの窓口業務・一般職員支援などの職員派遣が行われ、現在も継続されています。

 また、堺市職労も、職場のみなさんのご協力をいただき、自治労堺と共同しての義援金や、震災ボランティア派遣に取り組みました。

【技術職員不足が深刻化】

 被災地の自治体では現在、技術系職員不足が深刻化しています。

 宮城県塩釜市長は河北新報社の取材に対して、被災した道路や土地の改修といった膨大な業務量を前に、「マンパワーの不足が復興の足かせになりつつある」と訴えています。

 小泉内閣以降、「平成の大合併」による人員削減、数値目標を定めた自治体職員の削減が推進された結果、多くの自治体では、技術系職員の削減も一気に進みました。団塊の世代の退職後の補充がない中で、技術系職員にとって大切な「技術の継承」も危機に瀕しています。

 政府は、全国各地の自治体からの長期派遣と、職員採用の要件緩和(任期付採用を土木技師などにも拡大)して急場を乗り切ろうとしていますが、派遣元の自治体も「行革」の影響で、人員体制が厳しいのが実情です。  総務省は長期派遣職員の要望人数568名に対して、申し出は340名にとどまっていることを明らかにしており、この間の行革の矛盾が露わになった結果といえます。

 任期付についても、雇用期間が最長でも5年という条件でどの程度応募があるかは不透明で、宮城県松島町などは「一生懸命働いた人に5年たったら辞めてくれとはいえない」として、任期付職員の募集を見送っています。

【真の復興のためにマンパワーの充実を】

 震災から1年が経ち、住民の暮らしそのものの復興を本格化させるためには自治体職員の力が何より大切です。政府は場当たり的な対応を改め、自治体の正規職員の雇用確保を進めるべきです。