堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

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「協約締結権付与」に関し意見提出①

勤労者であるかぎり労働基本権の保障を

憲法28条の趣旨を反映するよう求める

(関係記事)

総務省、地方公務員の労働基本権に係る基本的な考え方を示す

http://unionsakai.seesaa.net/article/212122975.html

Ⅰ 趣旨

 日本国憲法28条は、「法律の留保」を付することなく、労働基本権を勤労者に保障しています。公務員も憲法28条にいう勤労者である以上、労働基本権の保障を受けることは当然であり、「地方公務員の労使関係制度に係る基本的な考え方」の趣旨としては、官公労働者に対する労働基本権の保障を前提としたうえで、制限については他の基本権との関係における最小限必要な範囲にとどめることが必要であると考えます。

 現実にも、公務の民間委託や独立行政法人化等によって、労働基本権が制約される官公労働者の範囲が縮小され、地位の特殊性と職務の公共性を理由とした労働基本権一部制約の論理の破たんが表われていると考えます。

Ⅱ 制度の概要

1 協約締結権を付与する職員の範囲

 日本では、公務員を含めて団結権を保障するよう各国政府に義務付けたILO87号条約(結社の自由及び団結権の保護に関する条例)を1965(昭和40)年に批准していることや、一般の公務員に対しては団結権争議権の分離の可能性を認めていることから、団結権を制限させる職員に消防職員を含めるべきではないと考えます。

 憲法28条が勤労者に労働基本権を保障していることから、「重要な行政上の決定を行う職員」については、現行の地方公務員法上の「管理職員等」の規定のように広くとらえるべきではないと考えます。

2 団体交渉の当事者

 現行制度上も、非現業公務員については、職員団体の登録制が定められていますが、本来、憲法28条による労働基本権保障を具体化することが必要であって、労働組合法上においても団体が「労働組合」と認められるためには、労働組合法第2条、第3条の要件を満たすだけで十分であり、都道府県労働委員会の認証や構成員の過半数が同一地方公共団体に属する職員であるといったことは、それ以外の条件であって、労働基本権保障を狭めるものであることから、団体交渉の当事者の要件とはすべきでないと考えます。

3 団体交渉等

 地方公共団体の事務の管理及び運営に関する事項について、引き続き団体交渉の対象とすることができないとされていますが、勤務条件に密接な関係がある事項については、交渉対象事項となりうるものであり、全面的に対象外事項とすべきでないと考えます。

 団体交渉の議事の概要及び団体協約の公表義務について、憲法28条は、労働基本権について、国家からの自由を保障したものでもあり、国家から義務付けられるべきものでないと考えます。