10月4日付
給料表、一時金、地域手当、
扶養手当改定も確定は交渉で
1日、堺市人事委員会が職員の給与等に関する報告及び勧告を行いました。具体的には秋季年末闘争や次年度以降に決定することになりますが、そのポイントについて解説します。
私たちとしては生計費に基づく賃金改定を求めていますが、人事委員会勧告制度では、引上げ総額や平均改定率は決まっています。ただし、具体的にどう配分されるかはいわゆる「パイの取り合い」となります。大きく配分される、小さく配分されるだけでなく、プラスやマイナスの配分も含まれています。それぞれについて掘り下げて解説します。
◆月例給の改定 平均では公民較差が11574円(2・85%)であり、その差分を改善するよう勧告されました。しかし「初任給及び若年層に重点を置きつつ」「初任給については、国との均衡を考慮し、本年の人事院勧告による改定後の国家公務員一般職の初任給と同等になるよう」という記載があるため一律というわけではありません。ちなみに国家公務員給与に対する人事院勧告(11183円、2・76%)では高卒初任給が21400円(12・8%)、大卒初任給が23800円(12・1%)という重点引上げに対し、中高齢層の係長級は4千円前後(1%台前半)に留まりました。一方、勧告では職場の声を踏まえ「全ての級号給に及ぶよう所要の引上げ」との記載も盛り込まれました。職場実態を踏まえた改定を行うのか、国公との均衡を重視した改定を行うのか、今後の交渉でやり取りしていきます。
◆一時金 正職員0・10月分の引上げ改定。なお近年は「引上げ時は勤勉手当、引下げ時は期末手当」を改正することが常態化していましたが「期末手当及び勤勉手当に均等に配分することが適当」とされました。
◆地域手当 人事院勧告では「給与制度のアップデート」の一環として都道府県単位の地域手当が特定の市区を除いて一律化されました。東京特別区は20%。大阪市・吹田市が16%、それ以外の大阪府は12%となりました。堺市は現行10%であるため2%増。しかし独自の人事委員会を持つ堺市において月例給の公民較差は地域手当を含めた額ですので、その「はね返り分」を考慮した場合、給料表を引き下げて均衡をとる可能性があります。また激変緩和措置として支給割合は来年4月と26年4月に1%ずつ引上げることも併記されています。給料表の額は退職金にも影響しますので、地域手当をどのように取り扱うか、より具体的な協議で決定する必要があります。
◆扶養手当 現行、配偶者(行政職給料表6級相当以下)は6500円、子は1人当たり1万円(満15歳に達する日後の最初の4月1日から満22歳に達する日以後の最初の3月 31日までは5千円を加算)が支給されています。来年度は配偶者(同)が3000円に引下げ、子(同)が11500円に引上げ。26年度以降は配偶者廃止、子13000円に引上げとプラスマイナスを含めた改定です。
勧告以上をめざそう
月例給の改定、一時金、地域手当、配偶者の扶養手当など勧告内容の詳細は未確定です。これから本格化していく秋季年末闘争が大事になってきます。全ての組合員の声を運動につなげ、人事委員会勧告以上の内容を今後の交渉を通じて勝ち取っていきましょう。