8月2日付
人事院が、24年の国家公務員の給与改定勧告を今月8日にも実施する方向で調整していることが分かりました。今回の勧告は、通常の給与改定に加え、地域手当や扶養手当などの諸手当と、俸給表の構造を社会の変化に応じた内容に見直す「給与制度のアップデート」を示す方針。詳細や実施時期が焦点となります。
アップデートでは、時代に即した公務員制度の整備や、優秀な人材の確保に向け、各種手当や俸給表の構造について一体的に見直します。昨年の勧告時報告では、見直す制度の方向性と、今夏に成案を示すことが明記されました。
今回の勧告で見直しが見込まれる地域手当は、区分設定を現在の市町村単位から都道府県単位とし、支給率を4~20%の5段階とする方針。同じ都道府県内でも、民間給与が比較的高いと見込まれる県庁所在市や人口20万人以上の市は、実態を踏まえて支給率を補正。大阪市16%、堺市10%の大阪府の取扱いに注目です。扶養手当は配偶者分を廃止し、それによって生み出される財源で、子どもへの手当を増額する見通し。
また、アップデートとは別に、北海道や青森県などの寒冷地に勤務する国家公務員に支給する「寒冷地手当」を見直す方向で検討。現在、計15道県に支給されていますが、気象庁が各地の気温や積雪量などをまとめた気象統計を更新したことを踏まえ、支給地域を変更する見込み。
一方、月給とボーナス(期末・勤勉手当)はいずれも3年連続の引き上げとなる可能性が高く、それぞれの上げ幅が注目されます。勧告の基礎資料となる民間給与実態調査は精査中ですが、民間企業の従業員の月給とボーナスが、国家公務員を上回る見通し。