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子どもよりも軍拡? 防衛費世界3位・教育費36/37位

3月1日付

開会中の国会で、岸田首相は「従来とは次元の異なる少子化対策を実現したい」と表明しました。具体化はこれからです(なお、来年度予算案の文教費の増加額は102億円)。一方、「防衛費」は、今後5年間で1・5倍、43兆円に増やすことを既に決定しています。

 

 みなさんにご協力いただいた『働きがいのある職場・市政をつくるアンケート』からも、子育て支援への強いニーズが感じられます。「今後、堺市で充実すべき施策(3つまで選択)」について、「子育て支援」48・0%、「医療の充実」18・9%、「教育条件の整備」16・8%と、子育て・教育が上位3項目に入り、子育て支援は特に高くなっています。
 岸田首相は、少子化対策の基本方向として、①児童手当などの経済的支援強化、②子育て家庭を対象としたサービスの拡充、③働き方の改革ーを示しています。
 ただ、多くの子育て世帯を悩ませている問題が抜けているのではないでしょうか。教育費負担の軽減です。
 2020年度の政府の『少子化社会に関する国際意識調査』(下表)で、「育児を支援する施策として何が重要か」という質問に、「教育費の支援、軽減」が69・7%と段違いの1位でした。
 大学の学費は、国立大で年間54万円、私大で平均93万円と世界最高水準です。入学金制度は他の先進国にはない独特の制度で、私大で平均25万円、国立大で約28万円。しかも、入学しなくても返金してもらえません。貸与奨学金の平均は約300万円で卒業後の返済は長期にわたります。憲法26条で本来無償とされている義務教育でも、給食費、教材費などの負担があります。
 ベースには、“子育ては社会が担うものではなく、家族が担うもの”と、家事・育児・介護などを女性に担わせー6歳未満の子どものいる夫婦の育児を含めた家事関連時間について、妻は1日7時間28分と夫(1時間54分)の4倍 総務省2021年調査ーてきた政治の姿勢があります。
 実際、日本の教育費への公的支出は対GDP(国内総生産)比でOECD経済協力開発機構)37か国中36位です。来年度予算案の文教費の増加額は102億円と物価高騰のもとで実質マイナスです。
 文教費と対照的なのが「防衛費」です。5年間で43兆円という倍増がすすめば、世界3位となります。
 岸田政権の軍拡に、主婦連合会などの消費者団体は共同で反対声明を発表。田中優子・法政大前総長や上野千鶴子東京大名誉教授らがたちあげた「平和を求め軍拡を許さない女たちの会」はネット署名で訴えています。「子どもや女性、少子化対策をなおざりにした軍拡は、この国を衰退させ、諸外国に敵を作るだけです。軍拡の前にもっと外交努力を積み重ね、平和を模索してください」。