2月24日付
「子どもたちにもう一人保育士を」の声が大きく広がっています。堺でも改善を求めましょう。
現在の国の保育士配置基準は、4・5歳児は、30人に保育士1人であり、これは戦後74年間変わっていません。同様に、1~2歳児は同じく6対1の基準が55年間、変えられていません。
愛知県では、2021年末に「子どもたちにもう一人保育士を!」実行委員会が立ち上がりました。
実行委員会では大阪保育運動連絡会が、コロナ緊急事態時に保育士に行ったアンケート調査に注目。登園数が通常の半分以下に減った場合、「かみつきやおもちゃの取り合い、けんかなどのトラブルが減った」「子どもの話をゆっくり聞くことができる」と感じる回答が多くあり、実行委員会メンバーもこれを実感していたからです。
そこで愛知でも、保育施設に働くすべての職員と保護者を対象に「配置基準を考えるアンケート」に取り組みました。
職員アンケートで、国の配置基準で子どもの命と安全を守られない場面を問うと「地震・火災など災害時」が8割と多く、理由には「0歳児2人はおんぶと抱っこで避難できるが、3人目は困難で不安」とありました。
また、「防犯やプール、お散歩も保育士が足りないと安全が守られるのか不安に感じる」回答も5~6割ありました。大きな負担や十分にできないと感じることを問うと「子どもとの関わり」「保育計画作成などの事務作業」「職員間での話し合い」「休憩取得」が多くなっていました。
保護者の回答では保育者の数が「不足」「とても不足」が合わせて85%、特に朝夕、送迎時に保育士が忙しそうで声をかけづらいと「感じる」「よく感じる」を合わせると90%とほとんどでした。
見直しで「子どもたちにもう一人保育士を」
子どもたちの安心・安全が守られる保育、子どもたちがゆったりと過ごせる保育環境、保護者と落ち着いて話ができる雰囲気をつくるためには今の配置基準の改善が必要です。
「せめて子どもたちにもう一人保育士を」と願う運動が全国に広がり、国会でも取り上げられ、急速に声が広がっています。
堺市では、現在1歳児が独自の配置基準(5対1)となっていますが、独自基準の各クラスへの拡大や、国に対し保育士配置基準改善を要望するなど、「子どもたちにもう一人保育士を」の取組みが求められます。