4月25日付
現在5年生の子どもはさまざまな本を読んでいます。いちおしを尋ねたら「かがみの孤城」と返ってきました。「それぞれのキャラクターがちゃんと書かれているのがいい」そうなので読んでみました。
「こころちゃんが学校に行けないのは、絶対にこころちゃんのせいじゃない」「闘わないで、自分がしたいことだけ考えてみて。もう闘わなくてもいいよ」
中学校1年生の4月、学校に行けなくなった安西こころ。ある日、部屋に置いてあった鏡が目が開けていられないほど光り出した。触れようとしたら吸い込まれ、気が付くとお城に。オオカミさまから城に招待されたのだ。集められていたのは7人の「赤ずきんちゃん」達。願いごとをかなえる鍵を3月30日までに見つけたら願いごとを一つだけかなえようと言い渡された。
この本は、不思議な城での中学生の日常を描いています。
例えば「この子たち、みんな、学校に行っていないのだ」「他に女子がいないのに、男子二人に囲まれて一緒に遊ぶことなんて初めての経験で、それを女の子たちが後から来てどう見るかを考えたら、内心ひやひやした」といった描写からは、家や学校で息をひそめているこころのようすが浮かびます。
僕などはひと口に「不登校」と言っていますが、登場人物を見ていると学校に行かない理由は本当に千差万別であり、それぞれが闘っているのだとハッとします。
そして、城では助け合える7人ですが、外では会えないし助け合えないのか?
読後に思ったのは「今年は2022年か」ということでした。