堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

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人事評価 「一定数下げないといけないので下げた」

『いい仕事のためのシステム』では?(4月11日付)

人事評価結果のフィードバック面談等が実施されました。期初・期末時にはよく意見が寄せられます。これまで取り組んだアンケートなどとあわせて、制度について考えたいと思います。

 

寄せられた声
 ▼課長から「一定数下げる評価をしないといけないので、下げさせてもらった。すまん」と話があった。納得いかないし、やる気も出ない。▼人事評価の面談で出勤時間について言及される。「就業15分前には出勤し、引継ぎ等あるので10分前には着替えを済ませて仕事を開始しているように。これは強制ではないけれど、出勤時間で評価が下がるのは勿体ないから」と言われるが、暗に10分前から仕事をしていないと評価を下げると言われているように感じる。就業時間に遅刻をした事はないし、他職員が早く出勤して、“無償時間外”をしているのをこちらにも同様にするように言うのはおかしくないか。▼(総合勤務評価が下位となった職員が)「納得がいかない。人事に異議申立する」と伝えると、所属長が評価結果を変更した。▼フワッとしたことは人事課ホームページに書いてあるが、何をすれば、高評価になるのか、具体的なイメージがわかない。▼好事例、高評価があるのであれば、内に秘めておくのではなくて、組織的に共有し、全体のものとなるように活用すべきではないか。▼助け合って回している仕事なので、評価で優劣がついているなら実態に合っていない。


賛否双方から意見
 採用1~5年目の職員対象のアンケート(2021年9月~10月実施、153人回答)では、「賛否どちらともいえない」が49%と最も割合が高く、「問題がある」(22%)より、「いい制度だ」(29%)の方が高い傾向でした。55%超の人が「どのような点でそう思ったか」を記述で回答しており、賛否が拮抗していることから、賛否双方からの制度改善への関心が非常に高いと思われる結果が浮かびあがってきました。


目標設定の書き直し
 保育所支部が実施したアンケート(116人回答)では、目標設定の書き直しを求められている実態(1回:41%、2回:46%)が浮き彫りとなりました。一方、面談については、「有意義である」が90%という結果でした。他方、他部署の職員(事務)は「自分の担当している業務が組織目標には一言も触れられておらず、目標設定に書くこと自体がそんなにない」と話しています。


人事評価の目的は?
 人事評価の目的は、職員の人材育成と能力開発であり、求められる役割、能力、目標の明確化による職員の意識・行動の変革を通じた市政の実現、市民サービスの向上とされています。ポイントには「単に『人を評価する』ことではなく、『いい仕事をする』ためのマネジメントシステムである」と挙げられています。フィードバック面談にあたっても、「目的は、評価者が被評価者に最終評価結果を伝えることだけではなく、きちんと説明を行い、その結果を踏まえ、『今後どのように取り組むべきか』を被評価者に考えさせ、助言、指導を行うことで、被評価者の人材育成、能力向上を図ることにある」とされています。人事評価研修では、「普段のコミュニケーションが大切 フィードバックだけを勝負の場にしない」ともされています。
 しかし、寄せられた意見をみると、こうした本来の目的から外れ、評価自体が目的化していたり、評価が違法な働かせ方に使われる実態もあります。その背景として“メリハリのある評価”が強調されるあまり、制度が歪められて運用されていることも考えられます。
 引き続き、様々な実態を把握し、本来の目的に沿った運用がなされるよう求めていきます。