堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

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エッセンシャルワーカーの賃上げが必要なワケ 労働条件の改善が生み出す効果

2月28日付

岸田内閣の経済政策の一つである「エッセンシャルワーカーの賃上げ」を、堺市当局は「様子見」しています。労働条件改善が果たす役割を明らかにし、労働組合として、早急な決断を迫っていくものです。

 

春闘前段交渉「他市状況や民間給与水準等を踏まえて検討」
 2月1日の春闘前段交渉では、交渉団から「欠員を解消するためにも、国が示した経済対策を活用して賃上げすべき。また、総務省通知では、今回の経済対策のための補助金について、『地方公務員の処遇改善に必要な費用についても対象となっているところであり、各地方公共団体においては、今回の経済対策の趣旨を踏まえた上で、本事業の対象となる職員の処遇について、改めてご検討頂くなど、適切に対応』とされている」と指摘。実施を迫りました。
 当局は「通知については認識」としたものの、「報酬の経験年数加算や、一定の年数の雇用が見込まれること、休暇制度などの勤務条件を総合的に見れば、近隣の市町村と比べても遜色のない勤務条件であり、報酬水準のみが欠員の原因ではないと考えている」としつつも、「他市状況や民間給与水準等を踏まえて検討する必要がある」と述べました。
保育士の賃金水準はどうなっているのか
 そもそも保育士の賃金水準はどうなっているのでしょうか。「保育士の賃金は全産業の労働者に比べて大幅に低いうえに休みはとりづらく、長時間労働を余儀なくされ、保育士不足の大きな要員になっている。それは勤続年数が短くなっていることにも現れている」と全労連「国民春闘データブック」(右下表参照)は指摘します。
 「民間給与水準」を踏まえていたら、いつまでも賃上げはできなくなってしまいます。ふまえるべきは、時間単価を始めとした均等待遇であり、勤務労働条件を改善する使用者責任です。
労働条件改善が与える社会的な影
 賃上げが果たす役割は、働く意欲の向上、労働者としての自覚の高まり、女性の自立の促進、ワークライフバランスの促進へとつながっていきます。
 民間給与水準も、そこに働く者の賃金引上げの取り組みと自治体の政策が連動して動いていきます。
 そして重要なのは賃金は「出しっぱなし」ではなく、税収の向上、社会保険料の涵養、勤続年数の増加、地域経済の活性化で、自治体や国へとお金が循環します。
要求の正当性、団結の力で課題を前進させよう
  新型コロナの問題は、医療や介護・福祉労働などの社会的な役割を再認識させ、従事する労働者の過酷な労働実態を顕在化させました。
 エッセンシャルワーカーの少なくない部分を非正規を中心とした女性労働者が占めています。今回は、保育士の賃金水準にフォーカスをあてましたが、他の職種でも労働条件の改善は急務です。国民春闘の取り組みのなかで、公民連帯し、要求を前進させましょう。

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