堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

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係長級昇任選考データを当局が開示

試験⇒選考でエントリー増
職種で昇任意欲に大きな差(1月21日付)

直近5年度の係長級昇任選考データが当局から開示されました。そのデータから伺える状況について報告します。

 

  係長級昇任選考は保育士と現業職以外では2020年度までは主に対象年齢が基準日現在で45歳以上(一部経験者枠採用を除く)、昨年度以降は40歳以上(同)を対象に行われている制度で、昇任を希望する者は「エントリーシート」を提出し、昇任選考されます。なお、保育士と現業職は基準日現在で27歳(20年度までは30歳)以上かつ2年以上在職すれば対象となります。

エントリー率は保育士が低く
一般事務以外が高い 
 一般事務のエントリー率は16年度以降の5年間で、22・4%、24・4%、23・2%、16・8%、22・0%。19年度だけが低下しましたが、概ね20%台前半で推移しました。一方、一般事務以外(保育士・現業職除く)は48・2%、53・8%、49・6%、48・0%、53・8%と半分近い高率でした。また、保育士は2・2%、2・9%、5・1%、7・0%、6・6%とここ3年やや上昇したものの、低率が続きます。職種別で大きな差が生じています。


保育士は高い合格率
現業職低率続く 
 合格者数や合格率も職種別で特徴があります。20年度の保育士の合格率は67%、昨年度90%でした。
 現業職については制度開始以降、きわめて低い合格率となっています。元々職員の母数が少ないとはいえ、例年40人前後の対象者がいながらこの状況は昇任意欲が削がれてしまうことが推測されます。
 一方、保育士はかなり高い合格率となっています。ただし裏を返せば「昇任したい」と思う人が少ないことが反映されているのでは、と推測されます。


試験に比べれば選考が高い合格率
 試験制度のある職種では、同じく20年度は一般事務15・4%、一般事務以外(同)11・5%、昨年度は一般事務18・0%、一般事務以外14・9%。
 エントリー率は20年度より昨年度が上昇し、エントリー数は対象者の増加からかなり増加したものの、合格率も上昇しました。なお、試験で1次・2次連続して合格する確率は今年度で一般事務8・0%、一般事務以外(同)8・2%なので選考の方が幾分か高い合格率となっています。


試験と選考で差異
 試験制度は、所属の評価も加味されるものの、その人の所属部署に関係なくマークシートや面接官によって判定される要素が大きくなります。一方選考制度はその人が所属した職場の経験に基づいた要素が大きくなります。これは「試験で昇任しにくい人で選考で昇任しやすい人が昨年度対象が拡大された40代前半に多かった」、ということが推測されます。
 部署を問わず係長級に昇任すべき人、各部署の管理職が係長級にしたいと思う人、合格・不合格の納得感、公平性など、試験や選考昇任制度には多くの要素があります。今後も組合員から寄せられる声を基に当局に改善を求めていきます。