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全てのケア労働者対象に 月4万円以上の賃上げを

12月13日付

 

全労連や純中立労組でつくる国民春闘共闘委員会は12月2日、会見を開き、医療や介護・福祉、保育、保健所などで働く全てのケア労働者の賃金を月4万円以上、引き上げるよう訴えました。

 

賃上げ「少な過ぎる」
 会見では、当該の産業別労働組合が職場の実態を告発し、看護師や保育士などについて月額給与を4千~9千円の賃上げを進める政府に対し、「少な過ぎる」という異議申し立てを行ったものです。
 小畑雅子代表幹事(全労連議長)は「職場から(報じられた金額では)『一桁足りない』との声が挙がっている。命を預かる社会的な責任と労働の内容に見合う水準への抜本的な引き上げが必要」と強調。非正規労働者を含む全てのケア労働者に月4万円以上・時間給250円以上の賃上げを求め、「ケア労働者の多くは女性。男女の賃金格差、ジェンダー平等への問題でもある」とも語りました。
 1日に行った厚生労働省への要請では、職員配置基準の引き上げや、岸田文雄首相らにケア労働者の声を直接聞く場の設置を求めています。


分断生じる可能性も
 日本医労連の森田進書記長は、政府が支給対象を限定しようとしていることについて、「医療・介護の職場は多くの職種によるチームワークが必要。(対象を限定すれば)分断が生じる可能性がある。諸外国の水準を参考にしっかり賃上げして欲しい」と話しました。

「人を増やして」
 自治労連の石川敏明書記長は、新型コロナ禍で奮闘する保健師の「人を増やして欲しい」という切実な声を紹介し、「マンパワーによる職場の安定が必要。改善が急務だ」と話しました。
 建交労の角田季代子委員長は学童保育の早急な職場改善を求める緊急署名約2万筆を厚労省に提出したことを報告しました。「職員を募集しても応募が少なく、他の学童保育から応援を受けている」などと述べ、低賃金や人員不足解消を求める声が多かったことを紹介しました。
 福祉保育労の澤村直書記長は「福祉労働者は2012年から福祉・介護職員等処遇改善加算などの支給が始まったが、賃金のベースアップには至っていない」と述べました。国が定める基準が実態に合わないため、現場では基準より多く人を配置せざるを得ず「公定価格に沿って支給されても、労働者に渡る金額は少なくなる」と、基準の引き上げと賃上げをセットに行うことが必要と語りました。