堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

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堺市人事委員会が勧告(10月4日)

職場の頑張りに背を向ける
一時金引下げ勧告(10月6日付)

10月4日、堺市人事委員会が2021年の堺市職員の給与等に関する報告及び勧告を行ったことについて、執行部は見解を発表しました。

 

月例給は改定なし、2年連続一時金引下げ
 ①月例給について、職員給与が民間給与を32円(0・01%)下回っているが、較差が極めて小さく、3年連続の給料表改定見送り、②一時金(特別給)について、職員の年間支給月数(4・45月分)が民間の支給割合(4・31月分)を上回っているため期末手当を0・15月(再任用職員は0・1月)分引下げ改定、を勧告しました。
 実施時期は、令和3年12月としています。
 また、「職員の人事管理に関する報告」では、①人事評価制度について「人事評価結果の昇給への活用について、一般職員を含めた本格実施に向け、計画的な見直し」、②長時間労働の是正は「時間外勤務の上限規制を意識するあまり、業務の持ち帰りやサービス残業を行うことは本末転倒であり、決してあってはならない」とし、職員の勤務時間の適正把握を強調しました。
 その他、③セクハラやパワハラ等のハラスメントについて「所属長においては、組織の問題として、真摯かつ迅速な対応を」と求め、④仕事と生活の両立支援では、コロナ対応で一時的に行われている時差出勤及びテレワークについて「制度化の検討」、「育児休業の取得回数制限の緩和や不妊治療のための休暇の新設の検討」にも言及する一方、非正規職員の処遇改善には言及しませんでした。
代償措置として不十分
 人事委員会勧告は、憲法第28条で保障されている労働基本権の一部制約の代償措置とされています。地方公務員法第24条第2項では、職員の給与は、①生計費、②国及び他市職員の給与、③民間従業員の給与等を考慮して定めるとありますが、実態は、職員の生活実態(生計費)の考慮は不十分です。労働組合は、労働基本権の回復を展望しつつ、現行制度のもとで、生活実態に基づく勧告を行うよう求めています。
 今年の勧告は、コロナ禍のもと、保健所やこども園など市民生活を支えるために従事してきた職場をはじめ、市民サービス維持のために力を尽くしてきた職員の奮闘を顧みないものです。
 また、長時間労働について、人員不足の解消を具体的に求める等、労働基準監督機関としての人事委員会の役割の一層の機能強化が求められます。
 人事評価結果の昇給活用、時差出勤やテレワークの検討にも踏み込みましたが、労使交渉が必要であり、課題や職場実態を置き去りにしたまますすめることは許されません。
初任給差を放置
 初任給の公民比較では、大卒は差が拡大、高卒は縮小しました。
 報告では人の確保を強調していますが、志望者がまず比較する初任給差を放置せず、大幅な引上げを求めます。
当局に改善を迫ろう
 8月の人事院勧告後、私たちは堺市及び関連職場で働く職員全体の生活改善につながる勧告を求め、人事委員会あて要請書に取り組み、10月5日現在1440筆を集約しています。多くの組合員・職員の切実な要求・実態を届けてきました。
 人事委員会が労働基本権制約の代償措置としての役割を一層果たすことを求めるとともに、堺市当局に対しても、この間の経過を踏まえ、堺市に働く全職員の生活改善、住民のいのちと暮らしを守る自治体運営を求めて全力でたたかいます。