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中央最低賃金審28円引上げ決定 会計年度・初任給付近に連動 当局は市役所労働者全体の賃上げ対応を

7月30日付

 中央最低賃金審議会厚生労働相の諮問機関)の小委員会は14日、2021年度の最低賃金を全国平均で28円を目安に引き上げ、時給930円とすると決めました。

 

 最低賃金は、中央審の目安が示された後、地方審議会で審議がされます。大阪では7月26日に審議が行われ、引上げに向けて大阪労連で宣伝行動に取り組みました。
 昨年は新型コロナウィルス感染拡大に伴ってリーマンショックの翌年以来、11年ぶりに引上げ目安を示せない状況でしたが、今年は3・1%の大幅引上げです。例年10月頃に改定されますが実現すれば都道府県別で最安の792円の7県が820円に、964円の大阪府は992円と千円にかなり近づくことになります。


 加藤官房長官は14日の記者会見で「中小企業や小規模事業者が賃上げしやすい環境整備が不可欠だ。支援強化、下請取引の適正化を進めていきたい」と説明。賃上げの状況が未整備であることを暗に認めていますが、衆議院総選挙が近づき所得向上政策をアピールしたい政府の思惑も伺えます。同日、日本商工会議所など中小企業3団体は「極めて残念であり、到底納得できない。多くの経営者の心が折れ、雇用に深刻な影響が出ることを強く懸念する」とコメントを発表。中央審直後から早くも綱引きが始まっています。


 ちなみに最低賃金引上げは世界的流れです。韓国はコロナ禍の前年も引上げを行い、今年も同国最賃審は5・1%という大幅引上げを決議。欧米諸国では、労働者の賃金平均値の50%、中央値の60%という国際指標や、必要な生計費を踏まえた、最賃の水準設定を目指す動きが強まっています。イギリス・ドイツ・フランス・スペイン等は軒並み日本円換算で最賃千円超です。


会計年度(事務補助、専門職)、高卒初任給付近正規職員にも大きな影響
 ここで注目したいのが、最低賃金と本市会計年度職員や高卒初任給との整合性です。
 現在、事務補助職員1年目の時給965円(行政職一表1級5号+地域手当(各地域の物価に応じて支給され、堺市では10%)で算出)は最低賃金とわずか1円しか差がなく、引上げが実現すれば法律違反となりますのでそれに連動した対応が求められます。また、他の会計年度職員においても連動した対応をする必要が生じます。
 さらに事務補助の8号上位(一般に2年分の定期昇給に当たる)の高卒初任給(行政職一表1級13号)付近の正規職員も整合のために同様の引上げ措置が求められます。
 来月8月にも想定される人事院勧告後、秋の地方人委勧告に向けた運動も本格化していきます。
 会計年度や初任給付近に限らず、堺市役所で働く全労働者に賃上げを波及するよう、当局や市人委にはたらきかけを強めましょう。