堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

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長時間労働の是正、適正把握 数字ありきではなく実効ある取組を

堺市職員「働き方改革」プラン通知 6月16日付

  堺市職員働き方改革プランが通知されましたが、時間外勤務縮減と適正把握について改めて考えます。

 

 当局は、『堺市職員「働き方改革」プラン“SWITCH”』の令和3年度目標設定について通知しました。


通知概要
▼R2年度は、R元年度に引き続き、「時間外勤務総時間数を平成28年度比で20%以上縮減」を市全体で達成。
▼H29年5月に『堺市職員「働き方改革」プラン“SWITCH”』を策定。今年度は同プランの最終年度。
▼令和3年度目標
①時間外勤務年間360時間超の職員ゼロ、②月80時間超の職員ゼロ、③総時間数を平成28年度比で20%以上縮減、④総時間数を令和元年度比で10%以上縮減(新規)


コロナ対応で時間外増
 一方で、昨年度実績を見ると、出勤抑制や20時退庁など時間外勤務の抑制が強く打ち出された一方、コロナ感染拡大防止やワクチン接種、定額給付金や各種支援金などの第一線の対応のため多くの方が時間外勤務を余儀なくされたことから、各局で増加し、360時間超職員は317人(R元年度262人)となりました。


総務局として全体の体制確保責任認識を
 こうした状況があるにも関わらず、今回の通知では、時間外360時間超をゼロにするという当初目標をそのまま掲げています。
 当局内部でもコロナ禍という実態を踏まえ、さまざまな検討がされたとは思いますが、結果的には360時間ゼロという当初目標がそのまま掲げられることとなりました。
 当局は、具体的な方策として「業務配分を見直すなど長時間労働を是正することで、360時間超ゼロを目指す」とし、各局区長に業務の再点検、事務分担の見直し、人員体制の確保を求めています。
 それでもなお人員体制の確保が困難な場合、「総務局として、全体の人員確保を図っていかなければならないとの認識をもっている」としています。
数字の独り歩きあってはならない
 しかし、職場では、コロナ禍そのものへの対応に加え、他局への応援体制、出勤抑制がされるもと、業務負担が増しています。こうしたもと、360時間超ゼロといった目標が独り歩きすることにより、「管理職が業務実態も見ずに、とにかく時間外勤務を認めない」「業務が終わらないのでやむを得ずサービス残業している」といった声があがっています。
 労働組合のアンケートでも時間外勤務の適正申告について、「申告できていないことがある」が23・9%となっており、そのうち「出勤打刻したが申請していない」「退勤打刻したが申請していない」といった、勤務時間との差異が把握できるものもあります。


適正把握実効的取組を
 5月に行った夏季交渉では、こうした事例を示し、実効性のある適正把握を改めて求めました。
 今回の通知では所属長に対し、時間外勤務の上限規制を理由に「サービス残業」や「持ち帰り残業」が生じることのないよう、所属職員の労働時間の適正把握徹底を求めていますが、従来の取組にとどまっています。 適正把握に向けては、時間外勤務の適正把握を基礎としつつ、申告がないことについて「勤務時間を超えたら申請を」「事前命令がなくても申請を」と声かけする等、実効性ある取組みが求められます。