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コロナ禍の春闘を考える(上)

8万人超が失職の一方、大企業は便乗で『ため込み』(1月29日付)

 厚生労働省の発表によると、新型コロナウイルス感染拡大による非正規雇用労働者の解雇が3万9390人、正規雇用労働者の解雇は3万748人で、就業時の雇用形態を分けていない人と合わせると、計8万2050人がコロナ禍によって職を失っていることになります。

●零細企業倒産が急増
 東京商工リサーチによると、負債1000万円未満の2020年の倒産は630件と前年に比べ23%増加し、2000年以降で最多となりました。産業別では飲食業、宿泊業を含むサービス業他が300件と半分近くを占め、個人消費の低迷が直撃しています。倒産の原因は「販売不振」「他社倒産の余波」「運転資金の欠乏」が増えています。
●コロナ口実に賃下げも
 このような中で経団連は21春闘の経営側指針となる「経営労働政策特別委員会報告」を発表。コロナ禍を口実に、「ベースアップ(賃上げ)の実施は困難」「業種横並びや各社一律の賃上げを検討することは現実的ではない」とし、収益悪化企業は、ベアはおろか定期昇給も「検討せざるを得ない」と賃下げも示唆。収益安定企業でも「仕事・役割・貢献度等に応じて重点化」するとして格差を拡大する考えを示しています。
 最低賃金も中小企業の経営難を強調し、徹底した賃金の抑え込みを求めています。
●ため込みを正当化?
 巨額の内部留保については、これまでの「経営悪化時に労働者に負担を強いることなく乗り切るために必要」という説明をひるがえし、今回は「ポストコロナを見据えた将来への投資」のために必要だとして、労働者に還元せずにため込み続けることを「正当化」しています。
 さらに在宅勤務(テレワーク)の拡大を口実に、「時間外労働時間数に応じて割増賃金を支払う現行の労働法制は、新しい働き方になじまない」「場所と時間にとらわれない働き方の推進」などとして労働時間規制を緩和し、「残業代不払い」の合法化や「ジョブ型」(長期雇用や賃上げなし)導入を強調しています。(つづく)