7月22日付
18日、サンスクエア堺で「大阪市廃止・住民投票よりコロナ対策を!」堺市民学習会(住みよい堺市をつくる会主催)が感染拡大防止対策を行ったうえで開催され、170人が参加しました。学習会はウェブでも同時配信されました。
こんな時に住民投票?
大阪市を廃止して「特別区」に分割する、いわゆる「大阪都」構想をめぐる情勢が緊迫しています。
コロナ禍で市民のくらしや営業、医療機関や福祉施設、中小企業の経営、自治体財政もひっ迫する中、維新の会は11月1日の住民投票実施をめざして、8月末から9月初めにかけて府市両議会で議決しようとしています。 しかし、東京では連日300人近い感染者が報告され、大阪も18日、新たな感染者が86人と発表されています。
堺市民の未来のために
このような中で開催された市民学習会に、来賓として参加された山中智子さん(日本共産党大阪市議団長)は、「コロナ感染がまた増えだし、『大阪市廃止・特別区設置』についての市民説明会もできる状況ではない。パブコメでの声も圧倒的に『今じゃないでしょ』だったのに、松井さんは『府市一体だからうまくいく』の一点張り。マスコミ記者は『反対派の政党状況が変わって不利では?』というが、市民の声を聞けばそんなことはない。市民と一緒に、堺の皆さんの力もお借りして頑張りたい」
また、野村友昭さん(前堺市議会議員)は、「いま、住民投票と総選挙を同時にやるという可能性が言われているが、そうなれば公選法上、住民投票での反対運動が難しくなる。より一層、草の根の市民運動を広げる必要がある。大阪市がなくなれば市民生活、経済活動、広域防災などに大きな影響がある。大阪市民のくらしを守るためにも、堺市民の未来を守るためにもしっかり頑張りたい。皆さんにも支援をお願いしたい」と訴えられました。
大阪の医療・公衆衛生を削減してきたのは?
「大阪市廃止よりコロナ対策を~いまこそ問おう!維新政治の虚像と実像」と題して講演された冨田宏治さん(関西学院大学教授)は、新型コロナウイルス感染症と世界の変化について触れ、「新自由主義・緊縮政策による医療体制の脆弱化が、医療崩壊と爆発的感染につながり、この中で日本の医療体制も脆弱さを露呈した」と述べました。
また、大阪府・市政についても、橋下氏が自らのツイッターで「徹底的な改革」で保健所、府立市立病院など現場を疲弊させているところがある、と認めているとおり、「大阪維新プログラム」での徹底したリストラや「二重行政のムダを省く」といって、医療・公衆衛生機能を大幅に削減してきたことを指摘しました。
そして、前回住民投票(2015年)結果をはじめ、大阪のさまざまな選挙結果を踏まえて、「圧倒的な投票率を実現すること、そのためにコロナ禍でいろんなことに気付き始めた人々に広く語りかけていくことで、勝利の可能性が生まれる」と述べました。
SAKAI大作戦
学習会の最後に、土井事務局次長から「SAKAI大作戦」を行動提起し、学習会の動画や新たなパンフレットでの学習、7月31日の主要ターミナル大作戦をはじめとした街頭宣伝をすすめ、大阪市民と連帯し、自らのこととして「大阪市廃止」を阻止しよう、と呼びかけました。