堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

堺市職労(堺市職員労働組合)ブログです。

「いま、あらためて『不要不急』を考える」 「大阪市廃止・分割」住民投票は要るのか?④

(5月1日付)

 

『都合の悪い』情報は隠し、『出前協議会はやる』?
 「大阪市廃止・分割」という、住民自治の根幹にかかわる問題でありながら、法定協議会で充分な情報が住民に提示されたうえで民主的に議論されたとは到底言えません。むしろ、議論するほどボロが出るため、維新の会など多数を占める会派が強行的にすすめてきたと言わざるを得ません。
 例えば、行政経費についてはどうでしょうか?
 「大阪市廃止、4特別区に分割」で自治体の数が増えるので、全体の行政経費は増えざるを得ません。しかし、今回の特別区設置により地方交付税が増額されるわけではなく、各特別区の財政が圧迫されます。
 「増える経費」は、法定協議会では「200億円」と指摘され、関連資料の提出要求がされましたが、拒否したままです。
 職員の不足数についてはどうでしょうか?
 経費同様、職員数も4つの自治体ができることで増えざるを得ませんが、今回の「大阪市廃止・分割」案では職員を増やしていません。
 大阪市人事室は「この人数ではサービス水準の低下をきたす恐れがある」「業務執行に支障をきたす恐れがある」と指摘しています。また、以前反対していた時の公明党は「職員を配置できなければ、現行の住民サービスを維持することはできない。職員数を積み上げた部門別職員数を示すよう」要求していましたが、もっともな議論です。しかし、それはいまだに示されていません。
 保育所の入所はどうでしょうか?
 今は大阪市内どこでも入れますが、特別区になったら区外の保育所に入れるかどうかは、「住民投票後に決める」というのです。市営住宅も同様に不明です。
 前回住民投票時に「不評」であった住所の表記も、「廃止が決まってから案を出す」としています。
 このように住民が気になる課題や反対の声が出そうな議論は「廃止を決めてから」という「先送り」「情報操作」を行いつつ、「新型コロナウイルス感染拡大防止のため」に延期した「出前協議会」を5月連休明けに強引に実施することは、市民の命・生活が最優先されなければならない現在、到底市民の理解を得られません。
 11月に予定され、莫大な予算と人員を使う「不要不急」の住民投票は断念するしかありません。(終わり)