4月27日付
「『都区制度』は時代遅れ」
「大阪市廃止・分割構想」では、大阪市の税収等を府に吸い上げて4つの特別区に交付しますが、特別区は必要財源の6割が府の交付金という不完全な自治体になります。
これは東京特別区の財政調整制度にならったものですが、その東京の特別区長らは「都の区の制度」を廃止し、「市」に戻すよう求めています。
また、東京の特別区協議会(東京23区で構成)は「戦時体制として作られ、帝都体制の骨格を引きずってきた都区制度は、もはや時代遅れ」「都が法的に留保している市の事務と現在都が課している市の税等のすべてを特別区(『東京〇〇市』)が引き継ぎ、都区間で行っている財政調整を廃止する必要がある」と提言しています。
さらに保坂展人世田谷区長は、大阪市廃止・分割について「この議論を聞くたびに思うのは、東京の特別区の抱える現実と矛盾に対しての理解の薄さです」「『政令都市を廃止して特別区へ』という議論にはうなずきがたい」と発言しています。
東京特別区ですら、やめたいという「都区制度」ですが、財政が東京以上に厳しい大阪ではさらに問題が噴出します。
例えば庁舎問題について、コスト削減のため新たな庁舎は建設せず、中之島庁舎(現本庁)に淀川区と天王寺区の職員を「同居」させ、淀川区は職員の78%、天王寺区は49%が区域外である中之島庁舎で業務を行うことになります。これは災害時の危機管理対応の点でも通常の業務効率の点でも大問題で、本庁舎が区域外にある自治体は鹿児島と沖縄の離島でやむをえないところだけです。
また議員定数も18~23人で、中核市や東京特別区の3分の1以下です。例えば、人口75万人となる北区や、71万人となる中央区の議員定数は23人で、人口14万人の箕面市議会と同じ議員数です。これでは、住民の声が届きづらくなるのは明らかです。(つづく)